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吉野桧・吉野杉ってすごいぞ
500年の歴史をもつ吉野林業が育てた吉野材の特長
芯が円心にあり曲がりが少ない
芯が真ん中であれば、芯持ちの構造材(柱や土台など)を取った際にも真ん中に芯がきて、曲がりが少なくなります。
曲がった木は製材をしたときに、繊維が切れてしまいます。見た目上も木目が流れてしまいます。真っ直ぐな木は製材をしたときに、繊維が切れることなく使えるので丈夫でその後も曲がりにくい木です。
年輪巾が適度に細かく均一である。
 木の生長はどんどん外側に大きくなっていきます。その成長する際、季節によって成長する度合いが違って、春のよく成長する時期の育った部分(早材)と夏以降のあまり成長しない時期(晩材)に分かれます。杉や桧などの針葉樹の場合、早材部分は細胞壁が薄く細胞が大きいため密度が小さいのに対し、晩材部分は細胞が小さいのに細胞壁が厚く密度が大きい。見た目では早材部分が薄く、晩材部分が濃い色になっているので、年輪として数えることが出来ます。
晩材部分の密度が大きいということは晩材部分の占める割合が大きい(年輪の幅が細かい)ほど、その木材の密度が大きくなり強度も高くなるということです。吉野材は年輪幅が適度に細かく、非常に強度があるといえます。実際に奈良県森林技術センターで吉野杉と一般の杉の梁材で調べた結果、平均的に1.5倍の強度を示していました。
その年輪の間隔が均一なため、造作材の柾目の部分が化粧面として非常に綺麗になります。これも吉野材の素晴らしい特徴となります。
赤身部分が多く耐久性にすぐれている。
吉野材は年輪幅が細かく同じ太さの丸太での比較では平均的な地区の丸太より年数がたっています。木は樹皮との境目が形成層と呼ばれる成長を繰り返している部分で、外に外に成長しているため、外側が新しく成長した部分(辺材)ですが、ある程度たつと新陳代謝を行わなくなり、成分が代わってきます。芯に近い部分で辺材に対し心材とよんでいますが、見た目では濃い色になっています。(辺材を白太、心材を赤身とよびます)
辺材部はデンプンを多く含み、虫や微生物の影響を比較的受けやすい部分ですが、心材(赤身)部は辺材から心材に成長する過程で虫や微生物に対する酵素が含まれています。そのため耐久性が極めて高くなります。湿気の多い部分ではこの赤身部分を使わなくてはいけませんね。
さて、吉野材のように年輪幅が細かい木は、新陳代謝を行っている部分が割合として少ないため、同じ太さの木でも赤身部分が多くなります。しかも吉野林業は80年以上の長伐期を採用しており、赤身ばかりの構造材を作ることが困難ではありません。
香り・色つやが良く光沢にとんでいる
脂分を多く含んでいて、揮発成分が多く香りが素晴らしいです。吉野桧の赤身のピンク色の人肌の美しさがあり、吉野杉の赤身のやさしい色合いも絶妙で、日本人のDNAに刷り込まれている美的感覚です。
節のない(少ない)木材を多く取れる
枝打ちなどの吉野林業の手入れのおかげで、節(枝の跡)の無い=無節板や造作材・柱が多くとれ、化粧性にすぐれた提案が出来ます。
吉野林業 世界屈指の人工林
〇吉野林業の歴史
吉野における人工植林の歴史は古く、吉野林業の中心地奈良県吉野郡川上村では約500年前の室町時代に造林の記録が残されています。 人工林の最先進地域として、全国各地・台湾にも育林方法を伝え広め、その長い経験は、そのまま日本の林業の基礎を築いてきたと言っても過言ではありません。
〇吉野林業の最大の特徴=非常に手間隙をかけて、良質な木材を持続的に生産していく仕組みが上げられます。
植林(密食)
吉野地方では1ha(100m×100m)あたり10,000本~12,000本もの苗を植林します。非常に高密度の植林で、一般の地域では3,000~5,000本なので3倍ですね!
樹木というのは二酸化炭素と水を養分にし、葉にある葉緑素と太陽エネルギーの働きで光合成を行い、糖分を作って大きくなっていきます。つまり日光の当たり方を調整することで、樹木の生長スピードをコントロールすることが出来ます。
最初に密に苗木を植える(=密食)と、1本あたりの日光がすくなくなるため、成長が抑制され、少しずつしか大きくなりません。吉野材の特徴のところで説明しているように、心材部分の年輪の数が構造材における強度に大きく影響してきますが、年輪の間隔を細かくするため、あえて、密植を行っています。

また、最初に上にしか日光が当たらないため、上へ上へ大きくなり、まっすぐで伸びのある木が育ちやすくなります。これも吉野材の特徴となっています。
(図:奈良県地域認証材センター)
枝打ち
植栽してから10~15年経つと苗木は、生長して、枝もついてきます。この枝はまわりの木と重なりあい、放っておくと林の中を暗くさせたり、枯れた枝などから害虫が侵入してきやすくなります。そこで枝を付け根から切る「枝打ち」という作業を行います。枝打ちをする時期は、樹木の生長が止まる秋~冬にかけて行われます。
枝打ちした箇所は、樹木が生長するにつれて覆われていき、やがて枝の跡がわからなくなります。このように丁寧に枝打ちをすることにより、将来、節の無い(少ない)優良な木材となります。
間伐
1ha(100m×100m)あたり10,000本~12,000本植えるということは、木と木の間隔は1m未満です。そのまま大きくなっていけば枝と枝がぶつかり合うし、そもそもモヤシのように細く上にしか大きくなりません。そのため、間引きが必要になります。これを間伐といいます。
普通は50年で3~4回の間伐のところを吉野では10回以上繰り返し、徐々に成長するようにします。少しずつ何度も間伐をすることで、細かい年輪の間隔を均一に仕上げることができます。

この間伐は、木材の成長の目的で行いますが、環境面でも大きな役割があります。詳しくは木材と環境へ (リンク)
1.二酸化炭素(CO2)の吸収
残された木に日光が良く当たり、光合成が活発になり二酸化炭素を吸収する。
2.保水力のアップ⇒ 緑のダム
日光が木々の間を通って地面にも当たるようになり、下草や低木が生えるようになることで、雨粒が地面に落ちる際のクッションができ、地下に吸い込まれ表層を流れ落ちる量が減る。
長伐期施業
杉であれば、50年程度で一斉に伐採する(皆伐)のが通常ですが、吉野の場合密植(高密度の植林)でゆっくり育てることと、最終的に大径木(とても大きい木)を育てるために100年以上の長伐期の施業を行っています。その間、何回も収入間伐を行い、収入を得ることで美しい森を維持していきます。今でも吉野では250年生以上の人工林がいたるところで残っています。ものすごい光景です!

このようにして年輪幅が細かく、長期間育った木は、強度とともに耐久性も抜群で、建築に使っても長期間使用できます。(建築の仕様にもよりますが)
この長伐期施業は環境面でもメリットがあります。
1.大量の二酸化炭素の長期間の固定
樹木というのは炭素の固まりであり、100年以上山の中で二酸化炭素を固定しておく貴重な役割も果たしています。建築材料に使っても長期間使用できるため、さらに固定期間が延びる。
2.公益的機能の長期維持
長伐期施業では、手入れを経て明るい森になり,下層の植物が繁茂してきます。それにともない土壌構造も発達してきます。下層植生や土壌構造が発達した状態が長く維持できるため水土保全機能や生物の多様性をもたらすなど森林のもつ公益的機能を維持していくのに有利です。
伐採・葉枯らし
吉野での伐採は。ほとんどが間伐ですので、残す木に傷がつかないよう角度を念入りに確認し、木と木の間に倒す見事な技術です。大きい木になると高さ40~50mもあるので、まさに職人技です。この際、木を山側に倒します。こうして、杉の場合半年から1年山で寝かせておきます。そうすることで、水分が抜けるとともに、杉の赤身部分の渋が抜けて、吉野杉独特のピンク色の赤身が出てきます。水分が抜けることによって丸太が軽くなり、搬出や輸送コストも下がり、製材工場での乾燥も容易になります。
細かいことですが、倒す際には木の元が株から落ちないよう工夫しておきます。こうすることで、地面から腐朽菌が上がりにくいように工夫しています。すごい知恵ですね。
吉野の自然の力と人間の知恵と努力がうまくかみ合って、素晴らしい美しい森(人工林)が築かれました。世界的に見ても最高に美しいこの吉野の森を持続できるよう、みんなで森の恵みをいかしていかなければなりません。泉谷木材商店はまちと森をつなぐ役割として、これからも頑張っていきたいと思います。
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