東京の文化学園大学の学生30名の奈良研修2日目。昨夜は奈良県吉野郡川上村の杉の湯ホテルで宿泊いただき、朝から森と水の源流館を見学した後、いよいよメインの下多古にある川上村の村有林に向かいます。そこには「歴史の証人」と呼ばれる何と390年生の吉野杉の人工林があります。

文化学園大学吉野研修バスで登山口までいってそこからはハイキング。あいにくの小雨模様ですが、みんなカッパを着こんでいざ出発。白装束が並びやや怪しい光景(笑)

いきなり100年生以上の吉野杉がお出迎え。

シーボルトミミズびっくりするほど大きいミミズ発見で大騒ぎ。シーボルトミミズっていうそうです。シーボルトが発見し自分の名前を付けたそうです。他にもミミズがたくさんいてそのたびに悲鳴が・・。普段の人工林ではまず聞かない声にミミズや木もびっくりしているかも。ミミズがいるっていうことは、いい土っていうことなんですが、都会の女の子には余裕がないのか、見慣れていないのか。

文化学園大学吉野研修2011

先導は森と水の源流館のスタッフ木村さんです。吉野の人工林の作り方について絵も用いながらわかりやすく教えてくれました。

全国的には1ヘクタール当たり3000本のところを吉野では8000から12000本も植えて育てます。植物は水と日光と二酸化炭素を栄養に光合成で成長するので、日光のあたる量をコントロールすれば、生長量をコントロールできます。しかも、木の上にしか当たらないので、最初のうちは上にまっすぐのびる建築用材に適した成長をします。

文化学園大学吉野研修 間伐でもそのままだと混み過ぎでモヤシのような森になってしまうので、人の手で間引きをします。これが間伐です。そうすることによって葉っぱに適度に日光が当たるようにし生長量をコントロールするとともに、根の張り具合、育ちの悪い木や曲がった木を間引くなどして、美しい森を作っています。

この森でももっと間伐をしないといけませんね。

文化学園大学吉野研修このように同級生(同じ時期に植林した)の木々でも太さや高さが揃っていないのは、間伐の仕方が足りないためです。

文化学園大学吉野研修手入れ不足の森を越え、霧の中、大きな木の合間を抜けていくと・・

文化学園大学吉野研修 250年生桧250年生の立派な吉野桧が登場!人工林ですよ!!すごい存在感です。檜でここまで大きい人工林はそうそうないと思います。

文化学園大学吉野研修 390年生吉野杉歴史の証人そして、「歴史の証人」の登場です。390年間植林され手入れを繰り返し、ここに残された吉野杉。現存する日本最古の人工林とも呼ばれる歴史の証人。学生たちも息をのみます。

文化学園大学吉野研修 390年生吉野杉歴史の証人なかなか杉がここまで長く大きく成長することは難しいようですが、ここの地形がちょうど養分が集まりやすい肥沃なところであったことも大きいのではないかといわれています。

文化学園大学吉野研修 390年生吉野杉歴史の証人下から見上げるとこんな感じ。樹高推定60m!!!

何を想いここに390年間立ち続けていたんでしょう。途方もない年月で想像できませんね。

ここまで登るのが大変そうだった学生もいましたが、この木を見て、「頑張ってここまで登ってきてよかった。途中諦めようと思ったけれど本当によかった!」と嬉しそうに話してくれたのは、こちらも嬉しくなりました。苦労した末のこの感動は生涯忘れることはないと思います。

文化学園大学吉野研修 間伐跡帰り道、150年生の杉の間伐跡もあります。これも吉野ならではの光景です。1ヘクタールに10000本~12000本植えて、この段階で500~1000本になっています。間引き(間伐)を何度も繰り返すことによって美しい森を作り、最高の吉野杉・吉野桧を生み出しています。

文化学園大学吉野研修 150年生吉野杉立派な森です。

吉野の美林人が手入れを繰り返して吉野の美林を作り上げていることがよくわかる研修でした。慣れていない山道、しかも雨の中よく頑張ってくれました。

建築の世界に入っても、材料の裏側・由来を知ることはとても大事と思います。素材を大切にする建築家になってほしいとメッセージを伝えました。